【1月24日 CNS】中国・税関総署が14日に発表したデータによると、2019年の中国の貨物貿易の輸出入総額は前年比3.4%増の31兆5400億元(約505兆円)となった。

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 新時代証券(New Times Security)の潘向東(Pan Xiangdong)首席エコノミストによると、「2020年を展望すると、輸出は回復に転ずるかもしれない。経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数は、世界経済は少なくとも2020年上半期までは安定局面が続くとしている。加えて、米中経済貿易協議が第1段階の合意に達したことで、輸出企業にプラスの影響がもたらされると考えられる」と分析する。

■見所1:成長の継続──中国は世界最大の貨物貿易国となる可能性あり

 2019年における中国の人民元建ての対外貿易額は3.4%成長だった。税関総署の鄒志武(Zou Zhiwu)副署長は14日に行われた記者会見で、貿易の安定成長の原因について、中国経済が長期的に安定成長する基本局面は変わっていない点を挙げている。

 昨年の1月から11月までのデータを見ると、全国の一定規模以上の工業企業は5.6%増、社会消費品の小売総額は8%増、固定資産投資は前年同期比で5.2%増、国内総生産は年間を通して成長を維持しており、世界のほかの経済体に比べ高い成長速度を保っている。

 2020年の対外貿易の見通しについては、鄒副署長は「世界経済には不確定性とリスクが多く存在し、状況は厳しく複雑だ。ただし、中国国内で進めている経済政策の継続により、経営環境を改善し、市場活力を高めることで、2020年も対外貿易は安定成長する」と分析している。

■見所2:産業構造の改善――民間企業が最大の輸出入者となる

 2019年の対外貿易は総量の増加だけでなく、構造的な改善も進んだ。民営企業の輸出入総額は全体の59%を占め、初めて外資企業を抜き、最大の輸出入者となった。2019年に輸出入を行った民営企業は40万6000社で、前年比8.7%増となった。

「民営企業が中国最大の輸出入者となった主な要因は、貿易摩擦の下で、多くの中国企業が世界各地へ出掛けていき、投資を行い、開拓をしてきたことなどによる」と専門家は指摘する。

■見所3:米中貿易――対米国貿易が10.7%減で貿易パートナーの順位が変化

 中国の貿易パートナーの順位は2019年に変化した。東南アジア諸国連合(ASEAN、アセアン)との輸出入は同14.1%増の4兆4300億元(約71兆円)、米国とは同10.7%減の3兆7300億元(約60兆円)となり、アセアンが欧州連合(EU)に次いで中国の第2位の貿易パートナーとなった。

 専門家によると、これは中国が長い間、アセアン地域との経済協力を進めてきたことと、中国の産業の昇級、中国の消費能力の向上などによる総合的な結果という。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News