■新首相の役割は?

 プーチン氏の長年の側近で、08~12年には大統領を務めたメドベージェフ首相は、批判の矛先としての役割を担うようになり、支持率も30~38%と低く、足手まといと化していた。

 心機一転を図ったプーチン氏は、メドベージェフ氏の後任として、比較的無名だが手堅い実績のあるミハイル・ミシュスチン(Mikhail Mishustin)連邦税務局長官(53)を指名した。

 ロシア下院は16日、この人事案を圧倒的賛成多数で承認。ミシュスチン氏は承認前の演説で、議会に対しプーチン氏の計画を早急に実行するための協力を呼び掛け、「真の変化」をもたらすと宣言した。

 ミシュスチン氏は、硬直化し腐敗した税務局を改革し、近代的で評判の高い組織へと変えることに成功した行政的手腕が高く評価されている。一方でプーチン氏の後継者になるとは考えにくく、政府の支持率回復につながる改革の実行に注力できる人物だ。

 カーネギー国際平和財団モスクワ・センター(Carnegie Moscow Centre)のドミトリー・トレーニン(Dmitry Trenin)所長はツイッター(Twitter)で「ミシュスチン氏のロシア首相への抜てきは、非常に重要な内政課題に注力することになる内閣に、より有能なリーダーを置く意図がある」と指摘した。(c)AFP/Antoine LAMBROSCHINI