【1月13日 AFP】サウジアラビアで開催中のダカールラリー(Dakar Rally 2020)で12日、ポルトガル人ライダーのパウロ・ゴンサルベス(Paulo Goncalves)選手が死亡する事故が起こった。

 ゴンサルベス選手は、この日行われた第7ステージの276キロメートル地点で意識を失って倒れているところを発見され、近くの病院へ搬送されたが死亡が確認された。

 大会主催者は公式サイトで「(午前)10時8分(日本時間同日午後7時8分)に緊急通報を受け取り、出動したドクターヘリが10時16分に現場へ到着して、心停止状態で意識を失っている選手を発見した」「現場で蘇生を試みた後、ヘリコプターでライラ(Layla)の病院へ搬送したが、残念ながら死亡が確認された」と発表した。

 大会ディレクターによれば、砂の上に倒れているゴンサルベス選手を最初に見つけたのは、KTMの前年王者トビー・プライス(Toby Price、オーストラリア)だったという。

 ゴンサルベス選手はこれが13回目のダカール出場だった40歳で、まだアフリカで開催されていた2006年大会でデビューを飾り、南米開催の2015年大会ではマルク・コマ(Marc Coma、スペイン)に次ぐ総合2位に入っていた。大会ディレクターは「パウロは長くダカールに関わっていて、われわれもよく知っていたし、大会の顔のような選手だった」「それだけに、今はとても難しい瞬間だ」とコメントした。

 今大会は、インド企業が後援するヒーロー(Hero)から初のサウジ開催となるダカールに出走していたが、昨年12月に母国ポルトガルで事故による脾臓(ひぞう)破裂という大けがをし、手術後のリハビリを経てなんとか出場にこぎ着けたところで、本人も開幕前には「自分にとってはこのスタート地点に来られたことが勝利だ」と話していた。

 10日の第6ステージ終了時点の順位は、二輪部門の総合46位だった。

 主催者は、ワディアドダワシル(Wadi ad-Dawasir)近郊を回る13日の第8ステージについて、「友人を悼む時間をライダーに与えるため」に、二輪部門を中止することを発表している。(c)AFP/Diane FALCONER