イラン人ら、米国境で嫌がらせや長時間尋問受ける 両国の緊張高まる中
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【1月7日 AFP】米軍がイランのガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官を殺害し、両国の緊張が高まる中、多数のイラン人やイラン系米国人が、米国境で当局から嫌がらせや長時間にわたる尋問を受けたと報告している。
イスラム教徒の権利擁護団体「米イスラム関係評議会(CAIR)」は、米ワシントン州の対カナダ国境で週末にかけて長時間拘束され、政治的見解について尋問された60人超を支援したと明らかにした。
その多くが米税関・国境警備局(CBP)の収容施設が不足しているために米国への入国を拒否されたと報告している。
ある女性(24)は、ワシントン州ブレイン(Blaine)にある平和のアーチ(Peace Arch)の国境検問所で家族と共に10時間以上拘束されて尋問を受け、5日早朝に解放されたと話した。
女性の家族が拘束の理由を尋ねたところ、CBPの職員は「あなたたちにとってタイミングが悪かっただけだ」と述べたという。
CAIRワシントン州支部の代表は、「こうした報告は非常に悩ましく、米国民の不法拘束ともなり得る」と話し、「出入国審査場でのイラン系米国人の拘束が全国的に指示されているとの報告を検証し、コミュニティーのメンバーに正確な渡航案内を提供していく」と述べた。
一方でCBPは報告内容に異議を唱え、休暇シーズンの渡航者増加と手続きを行う人手不足のために国境での大幅な遅れが発生していると説明。さらに、宗教や人種、民族を理由とした差別は行っていないと強調した。
国境での通過手続きの遅れに関しては、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の行き過ぎだと非難する声も上がっている。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT