【12月28日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のMFポール・ポグバ(Paul Pogba)は、欧州各地のサッカースタジアムで見られている人種差別が続いていることを受けて、「無知」な行為に対する独自の抗議活動に出る決断を下した。

 フランス代表としてW杯ロシア大会(2018 World Cup)の優勝メンバーとなった26歳のポグバは、ユナイテッドが4-1で勝利した26日のニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)戦に途中出場した際の直前のウオーミングアップで、白と黒のリストバンドを身に着けていた。

 試合前にはチームメートに着用を促していたこのリストバンドには、「人種差別にノー」「われわれは一つだ」と書かれており、ポグバはそれを観客席の子どもに手渡している写真をインスタグラム(Instagram)に投稿。そこには、「憎しみは憎しみを追い払えない。愛だけがそれを可能にする」というマーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師のメッセージが引用され、(リストバンドの文字と同じく)#NoToRacismWeAllOneのハッシュタグも付けられていた。

 ポグバはリストバンドについて、「これは自分のアイデアでしたことだ」「つまり、ずっとこれをしようと考えていたけれど、欧州サッカー連盟(UEFA)や国際サッカー連盟(FIFA)を通したくなくて、独自に動いた」と英PA通信(Press Association)とのインタビューで明かした。

「サッカーのテレビ中継が、物事を訴えるチャンスになると考えている」「これを見れば、人々が何かを理解してくれると思う」

「無知だ。物事に無知とかそういうことだ。そして、みんな一つであるということが示されている。われわれは一つなんだ」

 今季の開幕直後にソーシャルメディア上で人種差別の標的にされたポグバは、前週トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)の本拠地で、チェルシー(Chelsea)のDFアントニオ・リュディガー(Antonio Rudiger)が人種差別の被害に遭ったことについても言及した。

「つまりプレミアリーグだけでなく、イタリアやスペインなどどこでも起きている。各地のリーグで大勢の選手とわれわれがこれ(人種差別)を耳にし続けている」「われわれはサッカー選手であり、ただ競技を楽しみたい。ファンもスタジアムにきて良いサッカーを観戦することを楽しむ権利がある。それだけだ」 (c)AFP