【12月13日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のルイス・カミッレーリ(Louis Camilleri)最高経営責任者(CEO)は12日、通算6度目の世界王者となったルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)がチームに加入する可能性について話すことは時期尚早であるとの認識を示した。

 カミッレーリCEOは、現在メルセデスAMG(Mercedes AMG)に所属しているハミルトンが、フェラーリのジョン・エルカン(John Elkann)会長と「会談」したことは認めたものの、自分やチーム代表のマッティア・ビノット(Mattia Binotto)氏と話したわけではないとくぎを刺した。

 フェラーリの本拠地マラネロ(Maranello)で報道陣の取材に応じたカミッレーリCEOは、「ルイスが(エルカン会長と)話をしたことは周知の事実だ」「(しかし)少しばかり話が大げさになっている。それは社交場のことであり、彼らには共通の友人がいた」とすると、「きょう何かを決めるのは早計だ」と述べた。

 34歳のハミルトンは、史上最多記録に並ぶ通算7度目の選手権制覇を目指す2020年シーズンが終了した後、メルセデスとの契約が満了を迎えることになっている。そうした中でカミッレーリCEOは、2015年にチームに加入した22歳のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)とは2022年までの「長期契約」が残っていると強調した。

 一方、ルクレールのチームメートで通算4度の年間優勝を誇るセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は、2020年シーズン終了後にフェラーリとの契約が切れることになっている。32歳の同ドライバーについては、ビノット氏が「われわれはパフォーマンスや(2020年シーズンの)マシンへの適応度、彼の将来に向けたモチベーションを見守っていく必要がある」「彼がミスをするかどうか、といったことではない」「彼が自分の将来をどのように考え、われわれがチームの方針をどうするかということだ」と語った。

 しかし、同代表はフェラーリ・ドライバー・アカデミー(Ferrari Driver Academy)の育成ドライバーが2021年シーズンに昇格する可能性については、「時期が早すぎる」「マシンが完全に新しいものになるため、(F1での)経験が豊かなドライバーであることが重要になる」と述べた。

 アカデミーにはF1の伝説的ドライバーであるミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の息子で、2019年シーズンのフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)で総合12位に入った20歳のミック・シューマッハ(Mick Schumacher)が所属している。

 ビノット氏はミックについて、「彼には来年大いに期待している。なぜなら今年の経験があるからだ。将来のF1で活躍が期待できることは間違いない」とすると、「フェラーリの将来にふさわしい候補か? それを言うのはまだまだ早い」と述べた。(c)AFP