■「感情の結びつき」

 この機器は社会的な相互作用のために利用できるかもしれないと、論文の執筆者らは指摘している。テレビ電話で大切な人の腕をさすったり、バーチャルゲームでチームメートの肩をポンとたたいて励ましたりするのが可能になるわけだ。

「触覚は、最も奥深い感情面での結びつきを人々の間にもたらす」と、想定される利用方法についてロジャース氏は説明する。アンダーソンさんもゆくゆくは、この技術を通じて13歳と10歳の2人の子どもの手を同時に握ることができるようになるかもしれない。

 ワイヤレスでバッテリー電源を必要としないこの機器は、アップルペイ(Apple Pay)のようなスマホ決済アプリに使われているのと同じ近距離通信プロトコルを採用している。

 ロジャース氏のチームは今後、熱に関する研究にも着手したいとしてる。これは、義肢を通じて飲み物がどのくらい熱いか冷たいかを感じられるようにする技術だという。(c)AFP/Elizabeth DONOVAN