【11月15日 AFP】香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は15日、鄭若●(●は、うまへんに華、テレサ・チェン、Teresa Cheng)司法長官が訪問先の英ロンドンで民主派の群衆に囲まれ罵倒された際に転倒したことについて、「野蛮な襲撃だ」と激しく非難した。

 事件は14日夜、香港の閣僚の中でも特に不人気な鄭司法長官がロンドンの講演会会場に向かっていたところ、待ち伏せていた覆面姿の集団十数人に取り囲まれ、懐中電灯のライトを浴びせられたもの。集団は香港民主派の抗議デモのスローガンを叫び、鄭氏を「殺人者」と罵倒した。

 映像には、小競り合いの中で鄭氏が転倒する場面が捉えられているが、鄭氏の転倒が集団に押されたことによるものかは確認できない。鄭氏はすぐに立ち上がり、関係者に付き添われて歩いてその場を去った。けがをしているようには見えない。

 しかし林鄭氏は15日、鄭氏が激しい口論の最中に「深刻な危害を体に受けた」と非難する声明を発表。事件を「襲撃」と称し、「野蛮であり、文明社会の原則に反する」として、香港の旧宗主国である英国の警察に対し事件を捜査するよう求めた。

 鄭氏がトップを務める香港の司法部門は、香港で数か月に及ぶ抗議デモの参加者らを訴追する部署だ。6月のデモ開始以来、これに関連して「負傷」した香港閣僚は鄭氏が初めて。(c)AFP