【11月1日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)は31日、2021年に導入される財務面、スポーツ面、技術面の新たなレギュレーションを発表。予算に上限が設定され、新たなマシンデザインの導入でより接近したレースが可能となるなど、規則は大幅に変更されることとなった。

 抜本的な規則の変更は米テキサス州オースティン(Austin)で発表され、F1の興行権主である米リバティメディア(Liberty Media)は、これまで以上に接戦が可能となり、同時に環境に優しいレースとすることを目的に予算に上限を設け、新たなマシンと新たな規定を導入した

 国際自動車連盟(FIA)は31日、競技の根幹に関わるすべての面に初めて同時に切り込んだレギュレーション変更が世界モータースポーツ評議会(World Motor Sport Council)により承認されたと発表した。

 今週末の第19戦米国GP(United States Grand Prix 2018)に先立ちF1のチェイス・キャリー(Chase Carey)CEOは、レギュレーション変更が承認されて発表できたことは「重大な分岐点」だと胸を張った。

 また、FIAのジャン・トッド(Jean Todt)会長は、今回のレギュレーション変更は「モータースポーツの頂点に立つF1の今後の方向性を示す大きな変革」の印だとした。

 各チームのマシンパフォーマンスに関する予算の上限は、今季のトップチームの予算の約半分にあたる1億7500万ドル(約189億円)に設定される。また、ターボハイブリッドエンジンの使用が継続されることとなり、マシンの重量はより重く、速度はより遅くなる。なお、レース数は現行の21から最大25まで拡大される。

 キャリーCEOは、新たな規制はF1のDNAに敬意を払ったもので、資金力のあるチームの極端な開発を抑制する規則は、利害関係者との2年にわたる議論の到達点であるとした。「われわれは初めて技術、スポーツ、財務の3つの側面に同時に取り組んだ」「2021年のレギュレーションは真の意味で協力によるたまものであり、偉大な成果であると信じている」

 予算上限にはドライバーへの報酬やチーム内の高額報酬者上位3人の人件費は含まれないが、新たなパッケージの内容は、フェラーリ(Ferrari)の支持を取り付けるのに十分ではない可能性もある。(c)AFP