【11月1日 東方新報】中国政府は先月、「外資保険公司管理条例」と「外資銀行管理条例」の一部条項の改訂し、銀行業と保険業の対外開放をさらに拡大することを決定した。

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 中国の金融業界は比較的保守的、閉鎖的と思われがちだが、実際は一貫して金融開放を推進してきた。特に2018年4月、新たな段階の金融開放政策の公布以来、開放は日増しに加速している。

 3月公布の「外商投資法」を通じ、金融業を含む外国資本の中国国内での企業経営のために法的な保障が提供された。中国銀行保険監督管理委員会が「銀行・保険業対外開放12条」という新施策を公布し、中国へ資本・株式投資する際の外国金融機関の総資産規模に対する制約条件を撤廃し、「内資・外資同一待遇」の原則を強調した。

 今回の「外資保険公司管理条例」の改訂では、これまで制約条件としていた外国保険会社が中国で外資保険会社設立を申請する際の「30年以上の保険業務経験」と「中国国内で代表機構を設立し、2年以上を経た企業」の二つを取り消した。

「外資銀行管理条例」の改訂では、外資銀行の開設を計画する株主ならびに支店の開設に関する規定が緩和された。また、外国銀行の中国国内での現地法人と支店の同時設立に対する制限も廃止され、外資銀行の中国国内業務に対する制限が一層緩められている。

 そのほか、外国銀行支店の運営資金の監督に対する要求も調整された。

 金融は国際経済の中核であると同時に命脈であり、金融市場を開放するには非常に大きな勇気が必要となる。世界経済の成長力が減退し、中米間で貿易摩擦が発生している状況下でも、中国は金融開放政策の推進を継続しており、これは現在のねじれた局面に対して誠意を示すという中国の意志である。同時に、中国自身の経済に対する一定の自信の表れでもある。

 今年、上半期の中国経済成長率は6.3%に過ぎなかったが、世界の主要な経済圏の中では依然として成長の前列に立っている。現在中国の金融業の総資産は300兆元(約4623兆円)、そのうち銀行業の総資産は268兆元(約4130兆円)で、世界最大規模である。

 しかし、いったい中国は金融をどの程度まで開放してよいのか、これについて政府は以下の3つの原則を掲げている。

「参入時の『内国民待遇』の尊重とネガティブリスト管理」「為替レート形成メカニズムの改革と資本項目に属す資金の兌換プロセスの国内・海外の相互協力、共同推進」「金融業開放と金融リスク防止の両軸の重視」である。(c)東方新報/AFPBB News