【9月27日 AFP】ラグビーオーストラリア代表を解雇され、トンガのラグビーリーグ(13人制)でキャリアを再開すると表明していたイズラエル・フォラウ(Israel Folau)は27日、支援者である同国ラグビーリーグ協会(TNRL)の役員が別の問題で資格停止処分となり、その計画が絶望的となる事態に直面した。

 国際ラグビーリーグ連盟(RLIF)は、トンガラグビーリーグの選手と対立して同国のセミシ・シカ(Semisi Sika)首相代行から辞任を求められた役員に対し、資格停止処分を科したと発表した。

 同性愛者や自分が罪人とみなす人々には「地獄が待っている」とオンラインで発言したことで、5月にオーストラリアラグビー協会(Rugby Australia)に解雇されていたフォラウは、トンガ代表として今後のオーストラリア戦やイングランド戦でプレーするという大胆な計画をこの役員と推し進めていた。

 しかし、30歳の元ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)のフォラウは、期せずしてトンガスポーツ界の権力闘争に巻き込まれた上に、敗者側になることが決定。母国の元チームメートがW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)で戦っている中で、両親の生まれ故郷であるトンガのラグビー界からも締め出される事態に直面している。

 フォラウがトンガ代表としてプレーする計画については、豪紙オーストラリアン(Australian)が「完全に消滅」と報じている一方で、シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)は「ほぼ終了」と伝えた。

 トンガ代表は先月、指揮官のクリスチャン・ウルフ(Kristian Woolf)ヘッドコーチ(HC)が財政問題をめぐって問題の役員に解雇され、これに反発した選手たちが今後の国際テストマッチをボイコットする姿勢を示していた。

 この問題を受けてシカ首相代行はRLIFに書簡を送り、状況に懸念を示した上で役員の辞任を要求。先日にはフォラウが、RLIFからトンガ代表としてプレーすることを認められたと間違った情報を流して連盟を慌てさせ、状況は複雑な様相を呈していた。(c)AFP