■「過去とのつながり」

 人類の太古の祖先が、子どもを母乳から他の栄養源に移行させる離乳についての理解は、先史時代の子育てだけでなく、当時の人口増加についてより詳細に説明する助けにもなると考えられる。

 一部の専門家は、人類が狩猟採集民の生活様式から離れて農耕民の生活に定着し、作物や家畜の乳が入手可能になったことから、幼児を早期に離乳させ始めたとの説を提唱している。

 早期に授乳を終えた母親らは、出産後により速やかに妊娠可能な状態に戻ったと考えることができる。このことによって「新石器時代の人口転換」と呼ばれる重要な人口の爆発的増加を促す助けとなった可能性もある。

 見つかった土器についてブリストル大学のダン氏は、「これらは哺乳瓶であると同時に玩具のようなものでもあるので、きっと当時の子どもたちを笑わせたに違いないと思われる」と話し、「これは、先史時代の人々が自分の子どもたちに注いだ愛情と思いやりを示しており、過去の人々とわれわれとのつながりを実感させるものだと思う」と続けた。(c)AFP/Sara HUSSEIN