【9月6日 CNS】南京市(Nanjing)にある中国薬科大学(China Pharmaceutical University)によると、8月29日、同校の正門、学生宿舎正門、図書館、実験棟などの出入り口で、出入管理用の顔認証管理システムを据え付けた。同時に、一部の教室で、日常的な出席管理や教室内規律管理用の顔認証システムを据え付けた。

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 中国薬科大学図書情報センターの許建真(Xu Jianzhen)主任によると、大学の学生と教職員のデータをデータベースに登録することにより、学生と教職員は顔認証付き出入り口を通過する際に、1秒で顔のスキャンを終わらせて出入りすることが可能となり、伝統的な出入管理に比べて便利で安全だという。

 ただし、出入り口の顔認証システムに比べ、学生らが気にするのは教室内に据え付けた顔認証管理システムだ。彼らの授業に直接影響を与えるためという。

 許主任の説明によると、今回2つの教室で導入した顔認証システムは、自動的に学生の出席状況を識別できるほか、教室内における学生の聴講動向を初めから最後まで監視することが可能だ。

 学生が真剣に授業を聞いているか、顔が前を向いているか下を向いているかや下を向いた時間の長さや回数、顔を下に向けてスマホで遊んでいなかったか、居眠りをしていなかったか――これらはすべて、顔認証管理システムの「目」から逃れることはできない。

 許主任は、今回の動きは同大学の教務部の要求に基づくもので、学生の「サボり」「早退」「代理出席」「不真面目な授業態度」などの行為を未然に防止し、学生の聴講率を引き上げ、教室の規律を改善することが目的という。

 しかし、今回の顔認証導入はプライバシーの侵害ではないかと心配する向きもある。

「あなた方の勉強のためにやっていることなのに、逆に不満なのか? あなた方はそれでも学生ですか?」。教室への導入に対するこの考え方に対し、許主任はこのように述べた上で、「大学は今回の実施前に、公安と法律関係部門に打診している。結果、教室はもともと公開の場所であるため、プライバシー侵害の問題は存在しない」と説明している。

 同校は今後、教務部門からのフィードバックに基づき、状況を見つつ、全ての教室に顔認証システムを導入するかどうか判断していくという。(c)CNS-澎湃新聞/JCM/AFPBB News