【9月3日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで2日深夜、大きな爆発があり、少なくとも5人が死亡した。爆発は、同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)との交渉を指揮する米特使がカブールを訪れていたさなか、外国施設が集まる「グリーンゾーン(Green Zone)」の近くで起こった。タリバンは爆発について、同勢力による攻撃の一環だと主張している。

 アフガニスタン内務省のナスラト・ラヒミ(Nasrat Rahimi)報道官によれば、現場は支援機関や国際団体が入居する大型施設「グリーン・ビレッジ(Green Village)」。同報道官は「これまでに当該区域で5人の遺体を収容し、負傷者50人を搬送した。全員民間人だ」とし、死傷者は増える可能性があると述べた。

 1回目の爆発の後、さらに爆発が起こり、現場近くのガソリンスタンドで火災が発生。夜空に煙が立ち上った。2回目の爆発の際、発砲があった可能性もある。

 タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は、自爆と銃撃による連携攻撃が行われたと述べた。

 アフガニスタンの大手テレビ局トロニュース(Tolo News)はこの日、米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガニスタン和平担当特別代表のインタビューを放映していた。

 その中でハリルザド氏は、米国とタリバンによる合意の可能性を語っていた。合意案は、タリバン側が治安面でいくつかの項目を保証する見返りに、米軍が駐留兵士を削減することを中心としており、さらにタリバンとアフガニスタン政府による広範な和平交渉や最終的な停戦が焦点となっている。

 アフガニスタン生まれのハリルザド氏は同国の公用語であるダリー語で、「合意に従って条件が整った場合、われわれが現在駐留している基地5か所から135日以内に撤収することで一致した」と述べた。

 しかし、米・タリバン間の合意に向けた交渉が最終段階に入ったとの見方が広がる一方、アフガニスタンでは各地で暴力が発生している。

 映像前半は爆発が起きた現場付近から立ち上る煙。後半は病院に搬送された負傷者。3日撮影。(c)AFP/Thomas WATKINS