【8月29日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は28日、ランキングが低い選手の賞金増額に賛同した。

 男子上位選手の多くは、四大大会(グランドスラム)やその他の大会収入の大部分を、食べていくのがやっとという現状のトップ100圏外の選手に分配するという嘆願書への支持を表明している。

 今月ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とともにATP選手協議会(ATP Player Council)のメンバーに復帰したフェデラーは、「チャレンジャー(大会の)プレーヤー、そして予選や2回戦で負けた選手はもっと多くの額を手にするべきだと強く思う」とコメントした。

「なので、たとえ賞金が上がっても、それはこれ以上トップ選手には必要ない。かなりのレベルに到達したのではないか。だから、自分たちもそのために戦うことになるだろう」

 選手協議会のメンバーの一人、カナダのバセック・ポスピシル(Vasek Pospisil)は、大会収入のうち選手に還元されるのがわずか14パーセントの現状では、テニスで食べていけるのは世界ランキング上位100位までがせいぜいだと主張しており、透明性の拡大と収支分布の改善を訴えている。

 フェデラーは「トップオブトップだけでなく、下部ツアーのチャレンジャーツアーに出場するような選手も食べていけるようになれば素晴らしい」と話した。

「敗者のための大会であってはならないという意見には賛成だが、彼らも多くの時間を犠牲にし、上位選手と同じようにハードワークしている。5年から10年のうちに適正な額を手にするようになればいい」

「政治やテニス界の権力争いで最悪なのは口をつぐむことだ。あらゆる情報を得ることができるので、選手協議会に戻ったのは正解だった。的確な意見を提供することが自分にとって重要なのだと思う。(同協議会会長の)ノバク(・ジョコビッチ<Novak Djokovic、セルビア>)、ラファ、そして私が同じ部屋にいれば、おのずと緊密になる」 (c)AFP/Martyn WOOD