■「女たらし」や「完璧な紳士」といった声

 スペインのソプラノ歌手、故モンセラート・カバリエ(Montserrat Caballe)氏と親しかったエージェントのアルド・マリオッティ(Aldo Mariotti)氏はAFPに対し、ニュースを聞いた時は「あぜんとした」と語った。

「ドミンゴ氏が女たらしなことは誰もが知っていることだが、そのようなこと(セクハラ)をするとは思えない。通りを歩けば、女性たちが彼の前にひざまずくのだから、その必要はない」

 スペインのオペラ歌手数人からもドミンゴ氏を擁護する声が次々と上がった。

 ドミンゴ氏と何度か共演したことがあるメゾソプラノ歌手マリア・ホセ・スアレス(Maria Jose Suarez)氏は、スペインのニュースラジオ局カデナ・セール(Cadena Ser)で、「私は一度も目撃したことがない。一度も」とコメントし、ドミンゴ氏が女性好きの男性ではあるが、そこに問題はないと語った。

 また、スペインの知的財産保護組合SGAEの会長を務めるソプラノ歌手ピラル・フラド(Pilar Jurado)氏は、スペインの通信社エウロパ・プレス(Europa Press)に対し、ドミンゴ氏は「完璧な紳士だ」と指摘し、「私は一度もハラスメントを受けたと感じたことはないし、望まないことを強要されたこともない」と付け加えた。

 同じくソプラノ歌手のダビニア・ロドリゲス(Davinia Rodriguez)氏は、日刊紙ラ・ラソン(La Razon)の取材に応じ、「マエストロ」が嫌疑をかけられている事柄について、わずかな気配さえも感じたことはないと述べている。

 同紙は、セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」によって、これまでエンターテインメント業界の著名人らが何人も告発されていることに触れながら、ドミンゴ氏もそうした被害者の一人だと主張した。(c)AFP/Laurence BOUTREUX