【8月9日 AFP】米移民税関捜査局(ICE)が7日に実施した南部ミシシッピ州での大規模な強制捜査で、不法移民約680人が拘束され、その子どもたちは知人や隣人の助けを受けながら自力での生活を余儀なくされている。

 7日の強制捜査は、ミシシッピ州の6都市にある食品加工工場7か所を対象に実施された。1州での強制捜査としては米史上最大規模とみられる。

 拘束された移民らは事務処理のためバスで収容施設に送られ、国外退去させられる可能性がある。ミシシッピ州フォレスト(Forest)の移民の子どもたちは、学校から戻って初めて親がいなくなっていることを知った。

 地元テレビ局の映像には、カメラに向かって泣きながら親の釈放を懇願する子どもたちの痛ましい様子が捉えられた。

 11歳のマグダレーナ・ゴメス・グレゴリオ(Magdalena Gomez Gregorio)さんは地元テレビ局WJTVに対し「パパとママが必要」で「パパは何もしていない、犯罪者じゃない」と訴えた。

 子どもたちは知人や近所の人々の世話を受け、フィットネスセンターに送り届けられ、そこで一夜を過ごした。地域団体が食料や寝具を寄付した。

 子どもたちが泣き、顔を覆い、互いに慰め合いながら床に座ってピザを食べる様子が動画や画像に映されている。

 WJTVによると、子どもたちは8日までに全員が自宅に戻るか親戚の家に身を寄せた。

 民主党の大統領候補の一人、カマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員はICEの強制捜査について「家族を離れ離れにし、恐怖を拡大し、地域社会を恐怖に陥れることを意図している」と批判した。(c)AFP