■日本の淡水魚も絶滅危惧種に

 こうした問題の主な原因は、食用肉を求めて行われる野生動物の狩猟と、作物栽培のために行われる森林開発だ。後者では「生物生息地の深刻な減少」が起きる。

 IUCNによると、アフリカ西部と中部に生息する霊長類では現在、約40%が絶滅の危機にさらされているという。

 レッドリストを担当するクレイグ・ヒルトン・テイラー(Craig Hilton-Taylor)氏は、「人が食べ物を得るために捕獲対象としている生物種では、絶滅の危機に追いやられるペースが(他と比べて)はるかに速い傾向にある」「農業目的で森林伐採が活発に行われている環境では、そこに生息する生物種もその影響を受ける」とAFPの取材に対し述べた。

 最新版ではさらに、日本の淡水魚種の半数以上とメキシコの同3分の1以上が絶滅の危機に直面していることも指摘された。原因は河川の汚染や流水を制御する構造物の設置にあるという。

 また今回、深海に生息する硬骨魚類と軟体動物500種以上も初めてレッドリストに追加された。これらの生物に関しては、その生息環境が水深1000メートルの海底で、国の管轄が及ばない領域であることが多いため、保護活動における難題が提起されている。(c)AFP/Patrick GALEY