【7月29日 CNS】中国・北京市の北三環路(Beisanhuan Road)聯想橋(Lianxiangqiao)脇に、中国で初めてのLED(発光ダイオード)植物工場がある。

 経営会社「中環易達施設園芸(AgriGarden)」の副社長、劉従文(Liu Congwen)さんは、工場の中に足を踏み入れるなり、「ここの野菜は全部、直接食べられますよ」と話した。

 300平方メートルのガラス部屋には、2列5層の植物育苗スペースがある。青と紫の人工光源のもとで整然と並んだ種苗がすくすくと育っている。劉副社長によると、単位面積当たりの育苗効率は、通常方式に比べて40倍以上に達し、育苗周期も40%短縮可能という。ガラス部屋の外は、5層の立体型栽培床の野菜工場となっており、セラミック砂の「土壌」の上にはレタスの一種であるロメインレタスが植えられ、それぞれが全く同じ形と大きさに育つ。

 劉副社長によると、この工場では、湛液型水耕(DFT)と呼ばれる栽培方式を採用。ロメインレタスの場合、植え付けから収穫まで20日しかかからず、通常の露地栽培に比べ、栽培周期は40%短縮可能で、単位面積当たりの収量は25倍以上に達し、収穫した野菜はきれいで汚染がなく、商品価値が高いという。

「Agrilink」と呼ばれる施設農業IoT制御システムの制御盤の前で、劉副社長は、LED植物工場がどのように知能化管理を行っているか解説してくれた。「環境制御システムはセンサー、コントローラーと実行機構の3つの部分から成り立つ。多くのセンサーを使って温度、湿度、照度から、二酸化炭素濃度、栄養液pH値、栄養液濃度(EC値)などに至るまでの諸環境要素を収集している。センサーとカメラ画像を人工知能が分析し、温度、光、水、気体、栄養物などを随時、調整・改善し、作物の成長に最も適したモデルを得ることができる。最終目的は、最少の資源で最大の収量と最良の品質を実現することだ」 (c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News