【7月4日 AFP】米カリフォルニア州で3日、米国の州としては初めて、髪形に基づく人種差別を禁止する法律が成立した。州内の全ての学校や職場にアフロヘアやドレッドヘアで登校、出勤する権利が保障される。

 主にこれらの髪形を好むアフリカ系米国人の人権を守ることを念頭に置いたこの法案は、同州の上下両院を全会一致で通過し、ギャビン・ニューソム(Gavin Newsom)知事が署名した。来年の1月1日から施行される。

 法案を提出した、自身もアフリカ系で髪を細い三つ編みにすることが多いという同州上院のホリー・ミッチェル(Holly Mitchell)議員は、同法により「ヨーロッパ中心主義的なスタンダードに合わせなければならないという圧力」を感じることなく「カリフォルニア州に住む黒人市民が自然なままの髪の毛でいることを選ぶ権利が守られる」と語った。

 ニューソム知事は、昨年12月にレスリング選手の男子高校生が試合前にドレッドヘアを切るか試合を放棄するかを迫られ、断髪を強いられた事案に言及。この高校生は「試合を失うか、自分のアイデンティティーを失うか」を選択するよう強いられたと指摘し、こういったことは「日々、国中の学校や仕事場で起こっている」と話した。

 業務で安全衛生上の必要があれば、雇用主が被雇用者に髪をまとめるよう求めることは引き続き認められる。ニューヨーク市も今年に入って髪形による差別を禁止していたが、州レベルではカリフォルニア州が全米で初めて。(c)AFP