【7月9日 CNS】中国福建省(Fujian)厦門市(アモイ、Xiamen)の厦門(アモイ)大学(Xiamen University)付属第一病院で6月12日、初めてのロボットによる手術が行われ、成功した。外科医がモニターを見ながら遠隔操作し、ロボットがメスで肺がんの腫瘍を切除した。患者の出血量は5ミリリットルにも満たなかったという。

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 北京青年報(Beijing Youth Daily)によると、手術は院長の姜傑(Jiang Jie)教授と胸外科の于修義(Yu Xiuyi)主任医師が遠隔操作の手術支援ロボット「ダビンチ」を使って行った。医師はまず患者の胸に、操作用の1センチ未満の穴3か所と補助用に約3センチの穴1か所を開け、ロボットのアームを胸の中に挿入。内視鏡カメラで3D画像を撮影し、10~15倍に拡大してモニターに映された。姜傑教授はメスの付いたアームを操り、肺がんの腫瘍を切除。患部を切り開く一般の手術より出血量が少なく、患者が感じる痛みも普通の手術より小さかった。

 姜傑教授は「ロボットアームはこれまでの内視鏡手術の機器より動かせる自由度が高く、アームに付けた内視鏡カメラの3D映像もクリアで見やすい。ロボット手術はこれまでの手術と比べて、安全面も完成度も精度が高い」と話す。ロボットには四つのアームがあり、人の手の活動範囲の3倍にあたる540度の範囲で自由に動くことができ、人の手のように震えることもなく、手術中に誤って神経や血管を傷つけることはないという。

 于修義医師の説明によれば、患者とその家族に対しロボットによる手術の経過を詳しく説明。手術は順調に終了し、その後の患者の回復状況も良好だ。

 今回の厦門大学付属第一病院のロボットによる手術は、福建省南西部で初めての導入となったが、世界各国では今、発展している。関係者によると、目や頭部など一部を除き、胸、心臓、泌尿、胃腸、産婦人科、肝臓などに広く応用できる。しかし、医師がロボットを操作するには、まず専門施設で研修を受け、基本動作を繰り返し練習し、免許を取得しなければならないという。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News