【6月28日 AFP】陸上、男子マラソンのエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge、ケニア)が挑戦するフルマラソンの2時間切りを目的とした特別レースが、10月12日にオーストリア・ウィーンで開催されることになった。このレースを運営するチームが27日に発表した。

 世界記録保持者のキプチョゲは、ウィーンにあるプラーター公園(Prater Park)で前人未到の偉業に挑戦する。悪天候の場合に備えて、同20日まで8日間の予備日も設定されている。

 キプチョゲは「歴史的な偉業を達成し、誰にも限界はないということを世界に証明する絶好のチャンス」と語った。

 今回の挑戦は、木に囲まれた全長9.6キロメートルのハウプトアレー(Hauptallee)と呼ばれる直線コースで行われ、キプチョゲは両端の円形交差点を折り返して往復することになる。

 2017年にイタリアのモンツァ・サーキット(Monza Circuit)で行われた史上初の2時間切りの挑戦で、キプチョゲは42.195キロメートルのコースを2時間0分25秒で走りきった。

 好調のキプチョゲは新記録の達成に向け、ケニアにある標高2400メートルのカプタガト(Kaptagat)村でトレーニングキャンプを行っている。

 34歳のキプチョゲは「ウィーンには速く走ることができ、ちょうど良い具合に木に囲まれた平坦なコースがある」と話した。

 キプチョゲはモンツァで2時間切りに挑戦した後、2018年のベルリン・マラソン(45th Berlin Marathon)で2時間1分39秒をマークし、公式の世界新記録を樹立。直近に出場した今年4月のロンドン・マラソン(London Marathon 2019)でも2時間2分37秒で優勝を果たしており、これは公式記録の中で世界歴代2位の記録となっている。

 キプチョゲはまた、自身が2時間3分5秒という自己ベストを記録した状態で2017年の2時間切りに挑んだことを考えると、「こうした結果のおかげで、2時間切りができるという自信をさらに持てる」と話した。

 五輪で金メダルを獲得しているキプチョゲは、今回の特別レースに備えるため、9月27日から10月6日にかけて行われる世界陸上ドーハ大会(IAAF World Championships in Athletics Doha)の出場を見送ることになった。

 今回の特別レースでは、2017年に行われた前回の挑戦同様ペースメーカーが入れ替わりでキプチョゲをけん引する予定。このレースでのタイムが公式の世界記録として国際陸上競技連盟(IAAF)から認められないのは、こうしたペースメーカーの起用法が理由の一つとなっている。(c)AFP