【6月27日 AFP】2020年の米大統領選へ向け、民主党候補の指名争いに名乗りを上げている10人が26日、初の公開討論(ディベート)を行った。優勢にあるエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員(70)が、その立場をいっそう固める結果となった。遅れをとる候補者らは注目を浴びるために移民問題を取り上げる傾向が目立った。

 前回の2016年大統領選以来、最大の政治討論会となる民主党候補らのディベートは二晩にわたってマイアミで行われている。論戦の口火を切ったのは、ベト・オルーク(Beto O'Rourke)元下院議員、コリー・ブッカー(Cory Booker)上院議員、テキサス州サンアントニオ(San Antonio)の元市長フリアン・カストロ(Julian Castro)氏、ニューヨーク市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長らで、医療制度から経済格差、気候変動に対する取り組み、銃問題、対イラン外交、移民問題まであらゆるテーマを活発に論じた。

 民主党の候補らは経済、そして移民問題でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を強く批判した点では共通したが、次期大統領が米国をどの程度、よりリベラルな路線に移すべきかについては見解が分かれた。

 移民問題に関する論戦の最中には、オルーク氏、ブッカー氏、カストロ氏がスペイン語を織り交ぜ、今や票田としてますます大きな影響力を持つようになっているヒスパニック系有権者に公然とアピールした。

 またデブラシオ氏は、移民が米国民に災難をもたらしたという言説に対し、「あなた方を痛めつけたのは移民ではない。大企業だ」と力説して拍手喝采を浴びた。

 中でも自らが大統領に就任した場合の具体的な優先政策を示したのはウォーレン氏で、富裕層への課税や巨大IT企業の分割などを掲げた。

 クライマックスとなるのは27日の討論で、首位を走っているジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領とそれを追うバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員ら10人が対決する。

 一方、大阪で28日に開幕する20か国・地域(G20)首脳会議のためにアジアへ向けて出発したトランプ氏は、自分のライバルとなる相手たちをけなすチャンスを逃さず、大統領専用機エアフォースワン(Air Force One)からツイッター(Twitter)に「退屈だ!」と投稿した。(c)AFP/Leila Macor, with Michael Mathes in Washington