■パレスチナ自治政府は一蹴

 しかし、パレスチナ自治政府はこの「平和から繁栄」会合への出席を拒否。高官は計画を一蹴し、親イスラエルのトランプ氏が恥ずかしげもなくパレスチナ人を買収し、パレスチナ人から独立国家を奪おうとしていると非難した。

 パレスチナ自治政府の高官ハナン・アシュラウィ(Hanan Ashrawi)氏は、計画を一蹴。米国は代わりに、パレスチナ人の繁栄を認めるようイスラエルに圧力をかけるべきだと主張した。

 パレスチナ指導部は、クシュナー氏とトランプ氏に深い疑念を抱いている。クシュナー氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の家族ぐるみの友人。トランプ氏は、エルサレム(Jerusalem)をイスラエルの首都と認定するなど、イスラエル支持を示す象徴的な行動を繰り返してきた。

 複数の米当局者は中東和平案の政治面の公表時期について、イスラエルで選挙が実施され新政権が成立した後の11月になる可能性もあると示唆している。米外交の数十年来の目標だったパレスチナ独立国家建設には言及しない内容となる見通し。

「平和から繁栄」計画の資金を誰が負担するのか、またイランに対する敵対感情からイスラエルとの共通の利害が増している湾岸アラブ諸国が、政治的解決の前に計画に貢献する用意があるのかは依然として明らかになっていない。(c)AFP/Shaun TANDON