■生産者にフェアトレードの条件を、それがラスタファリ思想

 宣伝では、古来からの「純粋な」品種であること、マーリーが使用していたことなどをうたっている。カナダや米国の一部の州など、大麻の使用が合法化されている国や地域の愛好家にアピールするためだ。

「マーケティングとしても、ノスタルジックな付加価値を与えることができる」と博士は言う。「ジャマイカを有名にしたのは、基本的にこの植物だから」

 ジャマイカは「フランスのシャンパンのように」、大麻の原産地としての地位を確立する上で世界をリードしていると博士は語る。在来種の風味の良い香りに引かれ、すでに企業や個人からも問い合わせが相次いでいるという。

 ラスタファリ思想に従って博士が求めるのは、発展途上国の生産者たちにとってより公平な「フェアトレード(公正取引)」の条件だ。博士は自らが育てるガンジャの「ナチュラルさ」を強調し、「今の消費者が商品を応援しようとするときに参考にするのは、栽培過程における倫理性や、きちんとした手順、有機栽培、完全菜食主義に基づいて作られているかどうかだ」と述べた。

 エマニュエル博士は最後にジョークで宣伝を締めくくった。「幸せはお金では買えないが、大麻はお金で買える」 (c)AFP/Leo MOUREN