【6月14日 AFP】五輪で二つの金メダルを獲得している陸上女子中距離のキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)の弁護団は13日、スイス連邦最高裁判所が同選手らを対象にした新規定を再び強制するよう求めた国際陸上競技連盟(IAAF)による要請を却下したと発表した。

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 IAAFの新規定では、男性ホルモン値が基準より高い「高アンドロゲン」の女子選手が400メートルから1マイル(約1600メートル)の種目に参加するためには、体内のテストステロン値を人為的に下げなければならないと定められている。

 スイス最高裁は今月初め、この新規定を一時的に停止する仮命令を下していたが、IAAFはこれに異議を唱えていた。

 弁護団の発表によれば12日にIAAFの要請が却下されたため、セメンヤは今後も制限無しで女子の競技に出場することが許可されることになる。

 しかしながらセメンヤは、16日にモロッコ・ラバトで開催されるダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2019)で女子800メートルへの出場を阻止されたと明かした。弁護団は、スイス最高裁の仮処分への明らかな違反だとしている。(c)AFP