■「一度に一人ずつ」の抗議行動も

 政権批判派によると、ロシアで今も業務を続けている数少ない反政権派や独立系のメディアは多大な圧力にさらされており、そうしたメディアの記者らはたびたび犯罪捜査の対象とされたり、身体的に攻撃されたり、公然と圧力を受けたりしている。だが、薬物関連の容疑はあまりないという。

 ゴルノフ記者の逮捕については、他のジャーナリストや記者の支援者の間に激しい憤りをもたらしている上、政権に極めて忠実なテレビジャーナリストの中にも同記者を支持する動きが出ている。また米国や欧州連合(EU)など国際的にも懸念が広がっている。

 モスクワ市内の裁判所前には数百人の支援者が集まった。勾留されていたゴルノフ記者は先週末、自宅拘禁に移された。

 モスクワの警察本部前では7日以降、一度に一人ずつ参加する抗議行動が行われている。これは当局から事前の許可を得る必要がない唯一の抗議方法だ。12日にはゴルノフ記者支援のデモ行進も行われる予定だ。

 一方、ロシア政府は「過ちを認め」繰り返さないことは重要だと述べたが、警察当局を擁護する姿勢を示している。ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は10日、ゴルノフ記者の逮捕をめぐり「多くの疑問点」があったことを認めた。だが、「彼の一件に基づいて一般的な結論を導き、制度全体に不信感を抱くのは誤りだと思う」と述べ、警察と裁判所を擁護した。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO