【6月11日 AFP】女子サッカーW杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)は10日、グループDの試合が行われ、日本はアルゼンチンと0-0で引き分けた。

 2011年大会の女王で、2015年にも準優勝している日本は、意志の強さと組織力を兼ね備えたアルゼンチンからゴールを奪うことができず、試合は今大会では初となるスコアレスドローで終了となった。

 フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)の本拠地パルク・デ・プランス(Parc des Princes Stadium)に約2万5000人が集まったこの一戦で、日本は約60パーセントのボール支配率を記録したが、相手GKにセービングを強いるシュートは2本しか打てなかった。

 日本は終盤、W杯で未勝利が続くアルゼンチンに3本のシュートを許したがいずれも精度を欠き、GK山下杏也加(Ayaka Yamashita)を脅かすものにはならなかった。

 日本と引き分けたアルゼンチンは、W杯における初の勝ち点を獲得。1ポイントずつを手にした両チームは、前日にスコットランドを下したイングランドに次ぐ2位タイとなっている。

 試合終了の笛が鳴ると、アルゼンチンの控えメンバーはベンチを飛び出してピッチ上の選手のもとに駆け寄り、通算7試合目にしてようやくW杯の舞台で勝ち点を挙げられた喜びを爆発させた。

 アルゼンチンのキャプテンで、プレイヤーオブザマッチに選ばれたエステファニア・バニーニ(Estefania Banini)は、「この勝ち点は非常に大切なもの。アルゼンチンがどういうチームで、この結果が何を意味するかをじっくり考えることができると思う」とコメントした。

 アルゼンチンは、4バックが高い位置までプレッシャーをかけ、中盤の選手たちがその近くでブロックを築くなど守備的なプレーを見せた。また、アタッカーのバニーニもギャップを埋めるべくポジションを下げ、これが奏功した。

 アルゼンチンを率いるカルロス・ボレッロ(Carlos Borrello)監督は「このチーム(日本)を相手に、基本的にこれ以外の戦術では臨めなかった」と振り返った。「自陣に引いて、集中しながら組織的にプレーし、カウンターで仕掛けるというスタンスを取る必要があった。W杯で勝ち点を挙げられたことには満足している」

 前半、日本は2本しかシュートを打つことができずゴールに近づくこともできなかったが、アルゼンチンはシュートを打つことさえできなかった。

 出場24か国中、グループステージ敗退になるのは8チームのみで、今回の引き分けで日本とアルゼンチンは残りの2試合で1勝を挙げる必要があり、両チームとも得点の手だてを見つけ出さなければならない。

 日本の高倉麻子(Asako Takakura)監督は「どの相手に対しても守備的にいこうという発想でチームを考えているわけではない」とコメントした。

「もちろん、守備のところはしっかりやっていこうという話はしているが、守備的に布陣を組んだわけではない。そういった発想をしたわけでもないが、やはり選手は慎重になっていた」

「後半は、選手たちがもっとスイッチを入れていかないといけないところで、少しテンポが上がり、交代選手を含めて全員で点を取りにいったが、結果的にアルゼンチンのディフェンスを壊す力がなかった」 (c)AFP/Peter BERLIN