■民間人の死者は330人以上

 サルートさんは、シリアのタラール・デルキ(Talal Derki)監督のドキュメンタリー映画『それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~(Return to Homs)』に出演。デモ指導者から戦闘員となったサルートさんの軌跡を追ったこの映画は2014年、サンダンス映画祭(Sundance Film Festival)のワールド・シネマドキュメンタリー部門でグランプリを受賞した。

 シリア人権監視団によると、サルートさんは反体制派武装勢力、ジャイシュ・アルイザ(Jaish al-Izza)の一員として6日から7日にかけて夜通しの戦闘に参加した際に負傷。この傷が原因で8日に死去した。

 サルートさんの父とサルートさんの兄弟4人も、ホムスでの戦闘と空爆で既に亡くなっている。

 シリア人権監視団によると、政府軍とその同盟勢力は4月末以降、イドリブ県への空爆・砲撃を強めており、これまでに民間人330人以上が死亡したという。国連(UN)は、こうした政府側の攻勢により27万人以上が家を追われ、医療施設24か所が被害を受けたとしている。(c)AFP/Omar Haj Kadour with Rouba El-Husseini in Beirut