「駆逐艦マケイン隠し」 命じたのはホワイトハウスのスタッフ、米国防長官代行明かす
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【6月3日 AFP】米国のパトリック・シャナハン(Patrick Shanahan)国防長官代行は2日、米海軍横須賀基地を先月28日に訪れたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の視界からミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン(USS John S. McCain)」を隠すよう命じたのはホワイトハウス(White House)のスタッフだったと明らかにした。シャナハン氏の報道官によると、国防総省は先月31日に開かれたホワイトハウスの会合でこの問題について抗議した。
ジョン・S・マケインの艦名は、昨年8月に脳腫瘍のため死去した米共和党の重鎮、故ジョン・マケイン(John McCain)上院議員の名前にちなんでいる。トランプ氏はマケイン上院議員と険悪な関係だった。
ホワイトハウスのミック・マルバニー(Mick Mulvaney)首席補佐官代行は首都ワシントンで、ジョン・S・マケインを隠すよう命じたのはホワイトハウスのスタッフだとみられるが、そのことが原因で解雇されることはないと述べた。
米メディアは、マケイン氏の名を冠した駆逐艦が横須賀を訪問するトランプ氏の目に入らないようにする試みが行われたと伝えていた。
この件を最初に伝えた米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、駆逐艦の艦名を防水布で覆うなどの対策をシャナハン氏が承認していたと伝えた。当日、防水布はトランプ氏の訪問前に取り外されたが、艦名の部分にはしけを近づけて視界を遮ったという。
報道によれば、艦名が表示された制服を着たジョン・S・マケインの乗組員らは、トランプ氏が隣の艦上で行った演説への参加を許されなかったという。
先月30日にこの件について質問されたシャナハン氏は一切の関与を否定。トランプ氏も同日、同駆逐艦が自分の視界に入れないよう命じたことはなかったはずだと主張した。
アジア歴訪中のシャナハン氏は2日、韓国のソウルに向かって飛行中の機内で報道陣に対し、ホワイトハウスのスタッフが横須賀の米海軍第7艦隊に連絡してジョン・S・マケインが大統領の目に触れないようにしろと命じたが、この命令は実行されなかったと述べた。
シャナハン氏は、この件について知ってすぐに、自身の首席補佐官に調査を命じたと述べ、「軍に政治を持ち込むことは許されない」、「この問題に適切に対処していく」と述べた。(c)AFP