【5月30日 東方新報】中国の華為技術(ファーウェイ、Huawei)が米国による輸出制限のため、風当たりが非常に厳しい状態に置かれている。そんな中、ファーウェイの任正非(Ren Zhengfei)CEOはこのほど、本社がある深セン(Shenzhen)で日本メディアと学者らによる集団取材に応じた。任CEOは、グローバリゼーションや米国による同社に対する輸出制限、同社と日本企業の関係について語り、ファーウェイと日本企業は友好的補完関係にあると述べた。

【関連記事】ファーウェイ、「プランB」で米規制に反撃

 取材は、ファーウェイ本部のカフェで行われた。任氏は「このカフェは私の妻が日本の「雅叙園」内にある喫茶店を気に入って、模した施設を作って日本からの友人をもてなしたいと話したのがきっかけで作った」という。

 日本に対する考え方について、任氏は「我々は日本から実に多くのことを学んでいる。日本人の精神は、将来の産業文明の中で最も重要な精神だ。当社の生産ライン制度は日本のトヨタ(Toyota)などの企業を退職した多くの専門家の方々に来てもらい、設計を手助けしてもらっており、日本の品質管理システムを手本にした。日本の精神を学ぶことによって、5G基地局を世界中で『買わずにいられない製品』 にすることができた。私たちは日本に倣って、大きな設備を小型化する方法を考えた」と語った。

 日本との関係については、「日本は素材産業研究分野ではおそらく世界で最強だ。将来はインテリジェント社会に入るが、材料科学の発展が重要だ。日本の『軽薄短小』製品は世界中で幅広く使われており、5G産業の中でも大規模に使われることとなる。ファーウェイと日本企業の関係は、友好的補完関係であり、競合的関係は一切ない」と述べた。

 取材の最後に任氏は、「日本は早い段階で産業化を実現した。中国は日本に比べ遅れている。多くの制度面では時間をかけて改善していかなければならない。軍事覇権ではなく、経済貿易・富の創造を中心に、共に調和社会へ向かって行こう。各国は多くの軍事費を使っているが、その分を節約すれば、貧困は世界からなくなるだろう」と語った。(c)東方新報/AFPBB News