【5月28日 AFP】ラグビーオーストラリア代表の元主将として知られるデビッド・ポーコック(David Pocock)が28日、W杯日本大会(Rugby World Cup 2019)に向けてけがの治療に専念するため、今季のスーパーラグビー(Super Rugby 2019)が残り3節となる中で同リーグからの引退を表明した。

 ブランビーズ(Brumbies、オーストラリア)のフランカーとしてプレーしていた31歳のポーコックは、ふくらはぎのけがに悩まされ続けて今季のプレー時間は138分に限られていた。キャリアの寿命を延ばすために2017年は長期休養を取っていた同選手は、昨年に復帰して以降も首の痛みや脳振とうの問題に直面していた。

 ブレークダウンで圧倒的な強さを誇り、W杯制覇を目指すオーストラリア代表の欠かせない戦力であるポーコックは、ゲイの権利をはじめ自然保護や地球温暖化などの問題を訴える活動にも積極的に参加していることで知られている。

 この日、ポーコックはオーストラリアの首都キャンベラで、母国での13年間にわたるプロ生活に終止符を打つことを表明し、「落胆している。考えていないことだった。自分の中でどうにか処理しなくてはいけないと思う」と報道陣に述べた。

「現時点でのベストは(治療のプロセスを)正しく進めるためにプレッシャーを取り払うこと」「再びワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)のユニホームを着ることが目標なのは間違いない。それは大きな名誉であり、自分が心から望んでいることだ。けがを治して体調を万全に整えるために、あらゆる手を尽くしていくつもりだ」

 オーストラリア国内の年間最優秀選手に贈られるジョン・イールズ・メダル(John Eales Medal)を2度受賞しているポーコックは、W杯終了後も母国代表を続ける意思があるかどうかは明言しなかった。また同大会後はジャパンラグビートップリーグのパナソニックワイルドナイツ(Panasonic Wild Knights)でプレーすることになっている。

 母国代表として合計77キャップを記録しているポーコックは、今年で満了を迎えるオーストラリアラグビー協会(Rugby Australia)との契約を更新しない見通しであるものの、ワラビーズとしてプレーする資格は残される。(c)AFP