■安倍首相のトランプ氏対応は「手本」

 オーストラリア当局で長年働き、現在は米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で米同盟国プロジェクトを率いるパトリック・バカン(Patrick Buchan)氏は安倍首相について、個人的な関係を構築し、個人的なルートで懸案事項を解決するというトランプ氏との付き合い方の手本を世界に示してきたと述べた。

 バカン氏は、「あくまで私見だが、欧州人はトランプ現象への対処を完全に誤った。トランプ氏の公の場やツイッター(Twitter)での発言に反応して悪循環を生み出しただけだった」と指摘した。

■貿易問題で悪化の恐れ それでも重要な対米関係─インドの場合

 インドは歴史的に米国との同盟に抵抗してきたが、モディ首相は堂々と米国側に付き、防衛関係を構築してきた。ただし、共同軍事行動の受け入れまでには至っていない。

 しかし、米シンクタンク、ウッドロー・ウィルソン国際学術センター(Woodrow Wilson International Center for Scholars)のアナリスト、マイケル・クーゲルマン(Michael Kugelman)氏は、貿易摩擦によって米国とインドの同盟関係が損なわれる恐れがあると指摘する。トランプ氏はインドに対する貿易特恵を打ち切り、エネルギー不足のインドにイランとベネズエラからの原油購入をやめさせた。

 それでもモディ首相は「中国がアジアで存在感を強めていることや南アジアでのテロの脅威などの問題をめぐり、インドの国益が米国と固く結びついていることを理解している」とクーゲルマン氏は語った。(c)AFP/Shaun TANDON