【5月28日 CNS】中国・雲南省(Yunnan)普洱市(Puer)孟連県(Menglian)で生活するタイ族の人たちが毎年3~5月ごろに、客にふるまう名物料理がある。酸味の利いたアリのあえもの、「涼拌酸螞蟻(Liangban suanmayi)だ。この料理がどうやって作られているのか、現地で取材した。

 材料になるのは、熱帯地域に生息し、木の上に巣を作る黄アリ。毎年、タイの旧正月を祝う「水かけ祭り」前後になると、タイ族の男性が山に入ってこのアリを探す。アリの巣を見つけると、枝を切り落として木の上にある巣ごと家に持ち帰る。

 この料理を作る上で非常に重要なのが、調味料だ。唐辛子とニンニク、ショウガをすり鉢でつぶし、アリの入った容器に入れてかき混ぜると出来上がりだ。辛味と酸味などが一体となっていて、一度食べると病みつきになるそうだ。

 黄アリは主に、雲南省の普洱、西双版納(シーサンパンナ、Xishuangbanna)、臨滄市(Lincang)などに生息し、タイ族の料理で広く使われている。タイ族の黄アリを食べる食文化には長い歴史がある。料理以外にも、成虫のアリを使ったお酢なども現地で作っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News