【5月10日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の元最高責任者バーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)氏は9日、フェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)が持つポテンシャルとスピードを見誤っていたと認め、同選手が通算4度の世界制覇を誇るチームメートのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)より速いかもしれないという認識を示した。

 F1の元興行主であるエクレストン氏は以前、キミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)に代わってルクレールを正ドライバーに迎えたフェラーリの決断を批判していた。しかし、伊ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)紙に対して、「私が間違っていた。ライコネンの放出は良い動きではないと思っていた」と述べた。

「もちろん、最終的に判断を下すにはしばらく様子を見る必要があるが、現時点の印象ではルクレールはとてつもなく速い」「彼はマシンコントロールが素晴らしく、ベッテルより速いかもしれない。セブ(ベッテル)は年を取っているわけではないから、今の彼に起きていることは不可解だ」

「ベッテルはシーズンを楽観していたかもしれないが、ルクレールがどれほど速いか予想していなかった。しかし、彼は今そのことを認識している。そして、私はベッテルが選手権を制覇できると今でも確信している」

 今シーズンのフェラーリは、開幕から4戦連続でメルセデスAMG(Mercedes AMG)にワンツーフィニッシュを許しており、ドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権ではいずれもそのライバルを追いかける形となっている。

 チームオーダーではベッテルを優先させているフェラーリだが、再び優勝争いを繰り広げるには、今週末に行われる第5戦スペインGP(Spanish Grand Prix 2019)でパフォーマンスの飛躍的な向上を示し、結果を出すことが不可欠な状況となっている。

 エクレストン氏はまた、「シーズンの現時点で予想するのは的外れだ」とすると、「シーズンが進むにつれて物事が動き、展開がはっきりしてくるだろう。今の時点では、シーズンがどうなるかは誰にも分からない」と述べた。(c)AFP