【5月10日 AFP】サッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)は9日、準決勝第2戦が各地で行われ、チェルシー(Chelsea)はフランクフルト(Eintracht Frankfurt)と1-1で引き分けて2戦合計スコアを2-2とすると、迎えたPK戦を4-3で制して決勝進出を決めた。

 GKケパ・アリサバラガ(Kepa Arrizabalaga)が2本のセーブを見せるなど、PK戦の末に勝利したチェルシーは、アゼルバイジャン・バクーで29日に行われる決勝で、英ロンドンのライバル、アーセナル(Arsenal)と対戦する。

 今季は欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)でもリバプール(Liverpool FC)とトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)が決勝に駒を進めており、両大会のファイナリストがすべてイングランド勢になるのは今回が初めて。

 本拠地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)にフランクフルトを迎えたチェルシーは前半、ルベン・ロフタス・チーク(Ruben Loftus-Cheek)のゴールで先制に成功。後半開始直後にフランクフルトのルカ・ヨビッチ(Luka Jovic)に同点ゴールを許し、試合は延長戦へもつれこむも決着はつかず、合計スコア2-2のままPK戦に突入した。

 チェルシーはセサル・アスピリクエタ(Cesar Azpilicueta)のキックがケヴィン・トラップ(Kevin Trapp)にセービングされたが、チェルシーはケパがマルティン・ヒンテレッガー(Martin Hinteregger)とゴンサロ・パシエンシア(Goncalo Paciencia)のシュートを止めると、最後はエデン・アザール(Eden Hazard)がボールをゴールに蹴り込み、勝ち上がりを決めた。

 PK戦の末優勝を逃したマンチェスター・シティ(Manchester City)とのイングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup 2018-19)決勝で途中交代を拒否し、指揮官に背いたことで大きく批判されたケパにとっては、信頼を取り戻す格好の機会となった。

 今季終了後にスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に移籍するのではないかとうわさされているアザールは、スタンフォード・ブリッジでの最後のキックになるかもしれないPKをしっかりと成功させ、勝敗を決めた自身の貢献を享受した。

 アーセナルとの決勝がチェルシーでのラストゲームになるかと問われたアザールは、「このクラブのために何か勝ち取ることだけを考えている」と答えた。「もし最後の試合になるのであれば、全力を尽くすだろう。心の中ではまだ決心していない」

 前週末のリーグ戦で4位以内でのフィニッシュを決め、来季チャンピオンズリーグの出場権を手にしたチェルシーは、ヨーロッパリーグで優勝することで、苦戦を強いられたマウリツィオ・サッリ(Maurizio Sarri)監督の就任1シーズン目を上向きな状態で締めくくることができる。

 今週、今季のチェルシーはタイトルに「値する」と主張したサッリ監督は、指揮官のキャリアを通じて初のトロフィー獲得にあと1勝と迫っている。

 しかしサッリ監督は、来週米国で同メジャーリーグサッカー(MLS)のニューイングランド・レボリューション(New England Revolution)とフレンドリーマッチを行うことについて快くは思っていない。

 この試合は、反ユダヤ主義の撲滅や人種差別禁止の啓発などのチャリティーを目的に行われる。

 サッリ監督は「今は休養が必要だ。不運なことに、米国で試合を行わなければならない。今は休む必要があると考えており、そうすれば決勝の準備に10日を充てられる」「選手たちはとても疲れているから、体力を回復させなければならない」と語った。(c)AFP/Steven GRIFFITHS