【5月9日 AFP】米上院情報特別委員会(Senate Select Committee on Intelligence)は8日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏(41)に、ロシアの2016年米大統領選介入疑惑の調査に関連して証言するよう召喚状を送った。米メディアが報じた。

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 米議会が現在進めている調査で、大統領の家族に対し、証言を強制する召喚状が出されたのは、明らかになっている限りで今回が初めて。これより先にロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官は、トランプ陣営がロシアと共謀した証拠は見つからなかったとしていた。前日の7日には、共和党の上院トップ、ミッチ・マコネル(Mitch McConnell)院内総務がロシア疑惑捜査は終了したと宣言したばかりだった。

 異例の召喚状を出した上院情報特別委は共和党が多数を占めているが、複数の問題で圧力と闘っているホワイトハウス(White House)と連邦議会との間に、新たな緊張をもたらす形になった。

 トランプ・ジュニア氏は同委員会でこれまでに1度、自主的に非公開で証言している。そこでは2016年6月9日にニューヨークのトランプタワー(Trump Tower)で同氏が他のトランプ陣営幹部と共に、対立候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏の醜聞となるロシア政府からの情報を提供すると約束していたロシア人弁護士と面会したことをめぐり、質問攻めに遭った。

 さらにトランプ・ジュニア氏は内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)被告との直接のやり取りについても問いただされた。同サイトはロシアがクリントン陣営から盗んだ文書や電子メールなどを漏えいした。(c)AFP