【5月8日 AFP】ヘンリー英王子(Prince Harry)の妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)の第1子出産の知らせを受け、英国民らは、赤ちゃんの名前予想の賭けに興じ、英国旗柄の衣装をまとって新ロイヤルベビーの誕生を祝った。

 夫妻待望の第1子となる男児の誕生は、ヘンリー王子によって6日、発表された。男児の王位継承順位は第7位となる。メーガン妃の母親はアフリカ系米国人で、男児は英王室の歴史で知られている限り初めて異人種カップルの間に生まれた子どもとなった。

 欧州連合(EU)離脱をめぐる争いで疲弊した英国民にとって、ロイヤルベビーの誕生はまれな朗報となり、英王室の伝統を祝う機会となった。今回はそこに、メーガン妃が若き米国人であるという新たな要素も加わった。

 ケニア出身で数年前から英国で暮らしているザハラ・キブエさん(34)は「男の子がどんな容姿か見てみたい。メーガン妃は混血だから、興味がある」と語った。「これはとても重要。王室が、ドアは開かれている、誰でも王族になれると言っているのだから」

 ヘンリー王子夫妻は8日、世界のメディアに向けて男児を披露し、名前を発表する予定。男児に王族としての称号が与えられるかどうかは明らかにされていないものの、その可能性は高いとみられている。

 メーガン妃は出産に当たり、英王室の慣習を破り、プライバシーを重視してメディアの好奇の目を避ける決断をした。英メディアの大半はメーガン妃が自宅出産を選んだとの見方を示したが、大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)は「予定日を過ぎたメーガン妃は自宅出産の夢を打ち砕かれ、5日にヘンリー王子とロンドン警視庁の警護団によって秘密裏にロンドンの病院に運ばれた」と報じた。

 同じく大衆紙のサン(The Sun)は、メーガン妃は最終的に一晩1万5000ポンド(約220万円)の入院費がかかるロンドンの病院へとひそかに搬送され、「日の出と同時に」出産したと報じた。デイリー・メール紙は出産時刻について、日の出のちょうど3分後だったとしている。

 英国には、ほぼ何でも賭けの対象にするという誇り高い伝統があり、ブックメーカー(公認賭元業者)各社はここ数か月間、ロイヤルベビーをめぐる賭けで大忙しだった。大手パディー・パワー(Paddy Power)の広報担当者はAFPに対し、「赤ちゃんが誕生した今、皆が『アレクサンダー』という名前に賭けている」と語った。

 映像は7日撮影。(c)AFP/Alice RITCHIE with Dmitry ZAKS in London