【4月25日 Xinhua News】中国人旅行客の訪日査証(ビザ)発給要件が再度緩和される。北京の日本大使館は5月から観光用一次査証(シングルビザ)の申請をオンラインで受け付ける。複数の旅行社への取材では、ビザ要件の相次ぐ緩和により訪日旅行の問い合わせが急増しており、新たな訪日旅行のピークを迎えていることが明らかになった。

  重慶(Chongqing)に本部を置き、チェーンストア型の店舗展開とネット通販を手掛ける旅行会社、旅遊百事通(トラベリング・ベストワン)の周傑(Zhou Jie)広報部責任者は、ビザに関する新施策が発表された後の訪日旅行の問い合わせがこれまでの5倍になったと語る。同社が昨年販売した日本行き旅行商品の集客数は約13万人だったが、今年は現時点ですでに6万人近くに達しており、明らかに増加しているという。

  大手オンライン旅行サイト、「驢媽媽旅遊網(Lvmama.com)」のデータによると、同サイトが受け付けた訪日ビザ申請数は17日時点で、清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月5日)連休(4月5日~7日)期間に比べ30%近く増加した。

  同社ブランド発展部の責任者、李秋妍(Li Qiuyan)氏は、日本は2020年の東京五輪の旅行需要のピークに向け、訪日客の一番多い中国で電子ビザを試験的に解禁したとの見方を示し、今回のビザ新施策により申請時間が短縮し、渡航費用も削減できると分析する。日本旅行のけん引効果も既に現れており、ビザの電子申請が始まる5月以降はその伸びもさらに高まるとみている。

  中国の訪日旅行客は昨年、初めて800万人を突破した。「Lvmama.com」のデータによると、日本は5年連続で中国人旅行者の人気海外旅行目的地の上位3カ国に入っている。同社サイトを通じて日本へ旅行した人は第1四半期(1~3月)、前年同期比37.9%増加した。

  日本はここ数年、ビザ要件を相次ぎ緩和している。2020年4月以降は、中国にある全ての日本領事館でもビザのオンライン申請が始まる予定で、より多くの旅行者が簡便化されたビザ申請サービスを受けられるようになる。(c)Xinhua News/AFPBB News