【4月14日 AFP】第123回ボストン・マラソン(2019 Boston Marathon)のスタートを控え、前回王者の川内優輝(Yuki Kawauchi)にとっては、今回も天候が味方しそうな気配が漂っている。

 1年前の川内は、過酷なコンディションの中で並みいるスター選手を退け、2時間15分58秒という1976年以降では最も遅いタイムで優勝。大会は今年も雨と風、寒さがランナーたちを試すことが予想されており、2008年のロバート・チェルイヨット(Robert Cheruiyot)氏以来の大会連覇を狙う川内が輝ける条件になる可能性がある。

 前回大会の優勝は、公務員としてフルタイムの仕事を続けながら、マラソンでの世界転戦という二足のわらじを履いてきた32歳の川内にとって、快挙と言える優勝だった。また今年の大会は川内にとって家族のイベントでもあり、母親の美加(Mika)さんが女子の部に出場する。

 川内自身は、昨年よりは警戒されるだろうと話しており、現地紙ボストン・グローブ(Boston Globe)に対して「天候に関係なく、今年は他の選手も去年より僕の動きに注意するだろうと思います」とコメントしている。

 その中で優勝するには、有力選手との争いを制する必要がある。今大会には、2012年以降の優勝者6人のうち5人がエントリー。中でも2017年大会王者で、同年の世界陸上(16th IAAF World Championships in Athletics London)金メダリストでもあるジェフリー・キルイ(Geoffrey Kirui、ケニア)、2013年と2015年のこの大会を制し、2018年はニューヨークシティマラソン(New York City Marathon 2018)を制したレリサ・デシサ(Lelisa Desisa、エチオピア)が特に脅威になるとみられる。(c)AFP