【4月7日 AFP】英王室のウィリアム王子(Prince William、36)がこのほど、複数の英情報機関で職務体験に臨んだ。王子が派遣されたのは、英対外情報部「MI6」、情報局保安部(MI5)と政府通信本部(GCHQ)。「MI6」は人気スパイ映画「007」シリーズの架空の主人公ジェームズ・ボンド(James Bond)が所属する機関だ。世界に顔を知られた有名人のウィリアム王子がボンドのような名スパイになるのは難しそうだが、ケンジントン宮殿(Kensington Palace)によると、王子は3週間にわたった職務体験を6日に終えた。

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 ウィリアム王子も声明で「英国の情報・安全保障機関の内部で過ごしたことで、これら機関の人々による、わが国の安全保障への絶対的な貢献をより深く理解できた。本当に頭が下がる経験となった」と発表。「ごく普通の経歴を持った大勢の人たちが、私たちの安全を保つために並外れた仕事に従事している」と称賛した。

 GCHQの対テロ部門長はウィリアム王子について、「チームに溶け込もうと熱心に取り組んでいた」と評価した。王子はベテラン分析官や高度な技能を持つ技術者の中でも気後れすることはなかったという。

 安全保障の分野では、ウィリアム王子も全くの素人というわけではない。王子はスコットランドのセントアンドルーズ大学(University of St Andrews)を2005年に卒業後、7年半にわたって軍務に就き、捜索救難ヘリのパイロットを務めた経験を持つ。(c)AFP