【4月5日 AFP】ドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領が、風力発電のタービンによって生じる音はがん発症の原因になると主張し、政敵のみならず身内までをもあぜんとさせている。

　気候変動に関する研究結果にたびたび疑問を呈しているトランプ氏は、今週開かれた共和党の政治資金パーティーで演説した際、長々と風力発電を攻撃。「風車の音は、がんの原因になると言われている」と発言した。

　もちろん科学的な裏付けのある主張ではない。民主党のナンシー・ペロシ（Nancy Pelosi）下院議長は4日、「ばかげた発言だ」と一蹴したが、これに先立ち共和党のチャック・グラスリー（Chuck Grassley）上院議員も、「ばかげている」と全く同じ見解を口にした。

　石炭業界を固く支持するトランプ氏は、風力発電嫌いを公言してはばからず、これまでも政治集会で風力発電を笑いの種にしてきた。先週ミシガン州で行われた集会でも、「今夜どうしても見たいテレビ番組があるんだ」「でも、風は3日連続で吹いていない」と冗談を飛ばし、「みなさん、風よ吹けと言ってください」と聴衆に呼び掛けて笑いを誘っていた。

　米エネルギー省によると、米国の全発電量に占める風力の割合は、2016年時点で約6％となっている。(c)AFP