【4月3日 AFP】ドイツサッカー連盟(DFB)のラインハルト・グリンデル(Reinhard Grindel)会長が2日、辞任を発表し、騒動の連続だった3年の在任期間に幕を下ろした。

 会長については、以前から騒動に次ぐ騒動で批判の声が高まっていたが、欧州サッカー連盟(UEFA)副会長で、ウクライナサッカー連盟(FFU)の名誉会長でもあるグリゴリー・スルキス(Grigory Surkis)氏から、6000ユーロ(約75万円)の時計を受け取っていたと1日に報じられたことが決定打となった。

 グリンデル氏は「DFBの会長職を辞し、時計を受け取るという模範的とは言い難い行動を謝罪する」と発表。その一方で、スルキス氏とは2月まで同じUEFAの理事だったが、政治的な理由で時計を受け取ったわけではないと話した。

「完全に個人的な贈り物のつもりで、礼儀として受け取らないわけにはいかなかった」「こんなに高価な品だとは思いもよらず、事前に確認しなかったのは重大な誤りだった。確認しておけば、不適切な行為という印象は避けられたかもしれない」「(スルキス氏が)DFBから経済的利益を得ているわけではない」

「こうした問題でDFB会長の仕事を離れなくてはならないことに、深く失望している」「どうしてこんなことになったのかと自問している。何も間違ったことはしていないと確信していたが、仕事のストレスがある中で十分に自問しなかったとしか言いようがない」

 現在57歳のグリンデル氏は、記者とキリスト教民主同盟(CDU)所属の国会議員を経て、DFB会長に就任。2024年の欧州選手権(UEFA Euro 2024)の誘致に成功した一方で、2018年7月に代表を引退したメスト・エジル(Mesut Ozil)からは組織的な人種差別の元凶だと名指しされるなど、さまざまな騒動への対応のまずさが厳しく批判されていた。(c)AFP/Kit HOLDEN