【4月2日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)は1日、今季第2戦のバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2019)決勝でエンジントラブルに見舞われ、F1での初優勝を逃した悔しさから前進する姿勢を示した。

 モナコ出身で21歳の新星ルクレールは、フェラーリ史上最年少のポールシッターとなって臨んだ先月31日の決勝レースで、勝利が見えていた残り10周でエンジンの動力が失われて3位に後退した。これでメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が優勝し、バルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)とワンツーフィニッシュを果たした。

 フェラーリはルクレールが遭遇した不運の原因について、シリンダーの一つが不具合を起こしたためであると公表し、ターボチャージャーの問題であるとの疑惑は一蹴。ルクレールは問題発生時を振り返り、「正直なところ、数周後には全てが台無しになるとマシンの中で感じていた」「だけどそうはならず、3位でフィニッシュできた」と語った。

「週末を通してみると、たくさんの収穫があった。オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2019)では、かなり差をつけられたけれど、今ではいくらかペースをつかんでいる手応えがある」「バーレーンに良いマシンで乗り込めたことは、チームにとってかなりプラスだったし、スタッフは素晴らしい仕事をしてくれている。こんな形でリードを失うのは悔しいし残念だ」

 その一方で、ルクレールはこれがキャリアで最も残酷な結果ではなかったと強調しており、「いいや、それほど大げさなものではない」「2017年にモナコで行われたF2のレースが、自分にとっては最低だったかもしれない。それまで経験した中では最悪だった」と明かした。

 母国で行われたそのレースで、ルクレールは家族や友人らが見守る中でトップを独走していたものの、セーフティーカーが入って混乱に陥った上に、サスペンションが破損して勝利への希望が打ち砕かれてしまった。

「今回はそれほど悪くない。表彰台には立てたし、F1では初めてのことだったから喜びをかみしめたい。期待していたような週末にはならなかったけれど、トラブルがあったにもかかわらず3位に入ったことは喜ぶべきだ」

 フェラーリのマッティア・ビノット(Mattia Binotto)代表は、「エンジンをマラネロ(Maranello、フェラーリの本拠地)に持ち帰って詳しく調べることになる。こうしたことが起きた場合は時間をかける必要がある」「しかし、エンジンは最後まで動いていたので、まだ走らせることができる。次の中国GP(Chinese Grand Prix 2019)でも、このエンジンを(フリー走行の)金曜日に必ず使用し、その動き方をはじめ機能性やパフォーマンスを見定める」と述べた。

 ビノット代表は、バーレーンでのトラブルの原因は部品一つの不具合であると明かした上で、「がっかりしているけれど、前を向いている」「シーズンは先が長い。この週末は収穫もあったけれど、残りのシーズンに向けて十分でないことは分かっている」と語った。(c)AFP