トルコ統一地方選、2大都市で与党敗北 エルドアン政権に大打撃
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【4月2日 AFP】トルコで3月31日に行われた統一地方選で、開票の結果レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)が首都アンカラと同国最大の都市イスタンブールの両市長選で敗北した。過去15年以上にわたって政権を握ってきたAKPにとって大きな打撃となった。
エルドアン大統領はこれまでの選挙で、トルコ史上類を見ないほどの圧倒的強さを示してきた。元イスタンブール市長でもある同大統領にとって、2大都市での敗北は衝撃的だといえる。
今回の統一地方選をエルドアン氏は国家の生き残りをかけた戦いと位置づけ、精力的に選挙運動を展開した。その一方、トルコが過去10年間で初めて景気後退に陥った後に実施された同選挙は、AKPの評価が問われる機会ともなっていた。
最高選挙委員会(YSK)によると、イスタンブール市長選ではほぼ開票が終了した時点で中道左派野党・共和人民党(CHP)のエクレム・イマモール(Ekrem Imamoglu)氏が約2万8000票差でリードしている。
イマモール氏は約416万票を獲得。一方AKPの候補者、ビナリ・ユルドゥルム(Binali Yildirim)元首相は約413万票を獲得した。
トルコの最大都市イスタンブールの市長選を戦った両氏は、これに先立ち共に勝利を宣言していた。開票の結果、大接戦だったことが明らかになった。
半国営アナトリア(Anadolu)通信によると、首都アンカラでは開票率99%の時点で野党候補のマンスール・ヤワシュ(Mansur Yavas)氏の得票率が50.89%と、AKP候補のメフメト・オズハセキ(Mehmet Ozhaseki)氏の得票率47.06%を上回っている。
一方AKPの複数の幹部は、両都市で無効票とされた数万票について、異議申し立てを行う意向を表明。今後混乱が発生する可能性もあるとみられる。(c)AFP/Luana Sarmini-Buonaccorsi, Raziye AKKOC