【3月29日 AFP】ベネズエラのエルビス・アモロソ(Elvis Amoroso)会計検査院長は28日、国営テレビで、野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長が公職に就く権利を15年間剥奪すると発表した。

 グアイド氏は暫定大統領就任を宣言した後、米国を含む50か国以上から承認されている。ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権は同氏を政治の中心から退けようと動いており、今回の措置もそうした動きに続くもの。

 ベネズエラでは、野党が多数派を占める国会(議会、一院制)がマドゥロ大統領の支配下にない唯一の統治機関となっているが、同大統領が2017年に「制憲議会」を設置したことで2つの議会が併存。国会が政権に対抗する動議を採択した後、最高裁判所と制憲議会によってその動議が無効とされることが常態化している。

 一方、国会は、憲法に基づく同国の元首はグアイド氏だと主張。マドゥロ政権を「違法」と見なし、同政権による決定を無視するか、無効とする法案を採択することを繰り返している。

 このほか、マドゥロ大統領は25日から3日間続いた全国規模の大停電について、グアイド氏と野党の「テロ行為」により引き起こされたものだと主張している。電力供給は当局の対応により28日までに復旧したもよう。(c)AFP