■開発と農業も負担に

 だが、他にもアクレオ湖に生態学的大惨事を引き起こしたことがある。

 自然にあふれ生き生きとしていたかつてのアクレオ湖は観光地として人気が出て、開発業者が集まってきた。別荘や店が次々とでき、家庭用水の需要が短期間で急増した。

 さらに農業も、湖の生態系の負担となった。かんがい用水として水が乱用され、特に利益をもたらすアボカド栽培に使われた。

「隣接する農業地域の作物のために湖の水が使われ、負担となった」結果、水がなくなってしまったと、ブストス氏は説明した。

 湖が消えた後に残されたのは、乾いて固くなった地面に低木が生えているくすんだ景色だった。そして、人々には夏の思い出が残された。

 湖畔で育ち、現在まだ営業を続けている数少ないキャンプ場の一つで働くアントニア・ロメロ(Antonia Romero)さん(26)は、アクレオ湖の消滅についてこう振り返る。「私たちが湖を徐々に殺していた」 

 映像は2月から3月にかけて撮影。(c)AFP/Miguel SANCHEZ