【3月20日 東方新報】中国・河南省(Henan)濮陽市(Puyang)や山東省(Shandong)鄆城県(Yuncheng)、陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)などで、医療廃棄物を違法に日用品などに加工、転売する販売業者らが摘発された。国営の中国中央テレビ(CCTV)が毎年、世界消費者権利デー(World Consumer Rights Day)の3月15日に放送する生放送番組「3.15晩会」の報道で明らかになった。

 河南省濮陽市の加工工場内には、大量の使用済み輸液ビンやパックなどの医療廃棄物が放置され、中には薬品など液体が残っていた。これらの多くは、周辺の病院から集められたものだ。山東省鄆城県の村でも、医療廃棄物が同様に再生品に加工されていた。工場の責任者は、「関連するいかなる資格も持っていない。再生材の原料加工中に生成された汚水には薬液が混ざっているが、そのまま水路に流している」と打ち明けた。また、陝西省西安市の加工作業場でも、点滴用チューブや注射器などが山積みにされていた。

 中国の「医療廃棄物管理条例」や関連規定によると、輸液ビンやパックは資格を持った者が必ず回収・処理するとしており、輸液チューブや注射器などの廃棄物も同様に、資格のある業者に引き渡して焼却などを行い無害化処置をしなければならないとして、再利用を禁止している。しかし今回紹介された業者は一切、関連資格を持っていなかった。

 業者からの情報を得て、記者は医療廃棄物を再加工して網状の野菜用袋を生産する工場を訪れた。生産に追われる作業場の角には、野菜用ネットに必要な原料が置かれていた。

 工場責任者は、「製品の原材料は新品と再利用品、半分ずつ。1日10万枚以上の野菜用ネットを生産し、全国各地に販売している」と話す。

 企業への取材を通じてわかったのは、医療廃棄物を再利用して製品を製造するのは、多くの企業にとっては至って普通のことだったことだ。

 国の規定では、たとえ汚染されていなくても、リサイクル資源として利用される可能性のある廃棄物については、病院側は登録など処理フローの安全なトレーサビリティーを確保することが義務づけられている。

「3.15晩会」では、監督・管理する部門が広範囲にまたがる場合もあることから、各級の政府と監督管理部門が責任を持って違法行為者を白日の下にさらし、隠し立てできないようにすべきだと指摘している。(c)東方新報/AFPBB News