【3月17日 東方新報】中国・湖北省(Hubei)潜江市(Qianjiang)の特産品は、小龍蝦(ザリガニ)だ。

 同市は、地域の特色を生かすため、2017年から産学提携による「潜江ザリガニプロジェクト」を進め、江漢芸術職業学院(Jianghan Art Vocational college)にザリガニ教育に特化した新しい学部を設立し、ザリガニ産業で働く技能型人材の育成を始めた。「ザリガニ調理技術と栄養」「食品飲料管理」「市場営業販売」の3つの専攻を設け、卒業すれば普通専科(短大卒)の資格を取得できる。

 記者は3月上旬、「ザリガニ学院」を訪ねた。

 学生の募集は、一校単独試験と統一試験の2種類ある。一校単独試験は毎年3月に実施、応募条件は、湖北戸籍の高校卒業者で年齢は40歳まで。試験科目は、教養科目と専門技能。統一試験の場合は、全国の大学統一試験の中で申請し、国の定める点数を満たすことが条件となる。標準的な学費は3専攻共に、1年で5000元(約8万3000円)だ。

「初年度となった17年の募集枠は3専攻各50人で、実際に入学したのは3専攻合わせて86人だった」と同校職員。「開校当初は、あまり期待していなかった人が多かった。2年目になると入学者数は100人を超え、今年はさらに増えて200人の入学を計画している」と語る。

■卒業予定者、コックは平均月収1万元超の見込み

「17年に入学した学生は卒業間近だ。卒業予定者は全員、翌18年入学で実習期間中の学生までもが、卒業後の仕事が内定している。予定月収は最低8000元(約13万3000円)からで、1万~2万元(約16万6000~33万2000円)の者も多い。今年卒業する学生らの予定平均月収は、1万元を超えるだろう」とのことだ。

 初めての卒業生の就職先は、5つ星級のホテルや全国チェーンのレストランなど。「調理技術と栄養専攻」の学生は、厨房内のコック職が多く給与は高めで、「食品飲料管理専攻」の学生は店舗管理や営業職、店長職などだという。(c)東方新報/AFPBB News