■「ものすごく不安」

 大気汚染の最も明白な影響は呼吸器系疾患である一方、汚れた空気によって子どもがその後の人生で糖尿病や循環器疾患を発症する危険性が高くなることが、研究で示唆されている。また、WHOは大気汚染と白血病や行動障害との関連性を指摘している。

 スモッグが持続的に発生していることで、都市部の人々の間では緊張が生じている。富裕地区に住む人々が、大気汚染はゲルの住民らのせいだとして、テント地区の撤去を求めているのだ。だが、ゲルの住民らは石炭しか買う余裕がないと訴えている。

 この問題に対処するため、地方自治体は2017年に国内での移動に制限を設けた。また5月には、石炭の燃焼に対する禁止措置が施行される。だが、これらの措置が今後、状況を改善するほど十分な効力を発揮するかどうかは不明だ。

 ナランチメグさんにとって大気汚染は、さらに子どもをもうけるかどうかを考えさせるほどの深刻な問題となっている。

「私は今、もう一度出産することに大きな不安を感じている。妊娠は危険を伴う上、これだけの汚染の中で生まれてくる子どもがどうなるかも不安だ」 (c)AFP/Khaliun Bayartsogt